リーダーとして経験を重ねながら、家族に「おかえり」が言える働き方を。 —「かごしまデジタル女性プロジェクト」濵田菜穂子さんインタビュー

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MAIAでは女性がライフスタイルの変化に影響されずに自分らしく働きつづけられるよう、「でじたる女子プロジェクト」「でじたる女子+」を通じてスキル習得の支援を行っています。今回は「かごしまデジタル女性(おごじょ)プロジェクト」で学び、現在はPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)の業務に従事している濵田菜穂子さんにお話をお聞きしました。

濵田菜穂子さん
食品会社の営業事務に従事したのち、在宅で働ける環境を求めて「かごしまデジタル女性(おごじょ)プロジェクト」を受講。2023年4月より、PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)の業務に従事している。

でじたる女子プロジェクトに参加する前のお仕事や、ご自身の状況を教えてください。

大学卒業後、地元鹿児島で食品会社の営業事務として12年ほど勤めていました。事務はきちんと覚えれば問題なくこなせる仕事ですし、ふたりの子どもを産むときにはどちらも育休・産休をいただくなど、福利厚生もしっかりしている環境でした。

働き方や生活スタイルに、どのような悩みを抱えていましたか。

夫と共働きなのですが、学童では保育園のように遅くまで預かってもらうことができないため、小学校にあがると上の子が鍵っ子にならざるを得なくなってしまったんです。それがとても可哀そうで……。また職場は車で30分ほどかかる場所にあるため、学校から「お迎えに来てください」と連絡があったとしても、すぐに駆けつけることができません。そういったことがあり、徐々に「今の仕事を続けるのは難しいかもしれない」と思うようになりました。

また仕事内容に関してはそこまで不満はありませんでしたが、電話応対の多さに対して少し疲れを感じたり、会社の方針などさまざまな状況が変わっていく中で、長く働くイメージが持ちにくくなってきていました。

でじたる女子プロジェクトに参加したいと思った理由は何ですか。

2022年の秋頃に「かごしまデジタル女性(おごじょ)プロジェクト」の募集がありました。当時はSAPについて全く知らなかったのですが、市役所に勤める夫から「僕が女性なら絶対に応募するよ」と勧められたこともあってダメ元で応募したら、無事選考を通過できたんです。「これもチャンスかも」と思い、SAPコースを受講することにしました。

学んだことの中で特に印象的だったものや、今も役立っているものはありますか。

実際に受講するまでは「どんなことを学ぶんだろう」とあまりよくわかっていなかったのですが、いざSAPに触れてみると「会計ソフトに近いな」という印象を抱きました。営業事務の仕事でも会計ソフトを使用していて、レシートの入力をしたり、在庫管理などを行っていたので、どこに何を入れればいいのかなど掴みやすかったですね。

現在はSAP関連ではなくPMO(プロジェクトマネメントオフィス)という業務についているので、直接的にSAPのスキルを使うことはありませんが、講座の中で学んだ「在宅で完全オンラインで働く際のポイント」などは今でも役に立っています。

でじたる女子コミュニティの女性とは、どのようなコミュニケーションがありますか。

「かごしまデジタル女性(おごじょ)プロジェクト」に参加していた女性たちとは何度か勉強会などの集まりがあり、そこでLINEを交換してグループでつながっています。いろいろなお誘いをしてくださる方も多くて、8月には何人かで集まって暑気払いを行ったりもしました。「今どうなの?」とか「確定申告ややこしいよね」など、それぞれの近況を共有したりしています。

現在の働き方や業務の内容について教えてください。

23年春に卒業試験に合格後、いくつか案件に応募したのですが、その中でアサインいただいたプロジェクトにPMOとして1年半ほど従事しています。営業事務の経験者を求めているプロジェクトだったので、「それならいけるかも!」と気合を入れて応募しました。

PMOの業務は、さまざまなプロジェクトの進行に付随する支援業務や管理業務など多岐に渡り、議事録作成や委託先の請求書の支払い処理、業務確認書の作成などを行っています。約2か月前からは、PMOメンバーのチームリーダーも拝命し、一層頑張らなければと思っているところです。

仕事において大切にしているのは、わからないことがあれば「教えてください」と自ら聞くことです。「わからない」という発信がなければ、大丈夫なんだと受け取られてしまうので、自分から発信してしっかり理解できるまで聞く必要があります。これはチームリーダーに限ったことではなく、仕事をする上で大切なことなのではないかと思います。

お仕事をしていて、やりがいを感じることはありますか。

私自身としては、これまでの経験を活かしながら変わらず頑張っているだけとも言えるのですが、得意先の方に「議事録がとても読みやすいです」と言っていただいたり、褒めていただけるとやはり嬉しいものですね。細かい部分ですが、主語・述語が重ならないようにする、接続詞は1文に1つになるようにするなど、基本的なことを欠かさないようにしています。

ちなみにこのプロジェクトは、以前は想像していなかったほど大きなものになってきていて、たくさんのでじたる女子の方々が参加されています。私自身も、まさかチームリーダーになるとは思ってもいなくて。ミーティングの際に「つまづいていることはないかな?」とメンバーを気にかけたり、文字でのコミュニケーションにおいて必要以上に威圧感が出ないように注意したり、リーダーという仕事の難しさを感じながら、手探りで試行錯誤しているところです。

家庭との両立のしやすさや働き方は、プロジェクトの前後でどう変わりましたか。

現在の仕事は在宅で完全オンラインでできるものなので、学校から「迎えに来て」と言われればすぐに行けますし、帰ってきた子どもに「おかえり」も言えるなど、在宅のありがたみを感じています。宅配便などが来ても受け取れますしね(笑)。

反対に、気をつけなければ歩かないで1日が終わってしまうことも多いので、意識的にウォーキングをしたり、体力づくりをする必要性を感じています。

ちなみに、仕事環境としてディスプレイを購入したことはとても良かったと思っています。2画面使えるので、議事録を書く際も片方はミーティング画面を映しながら、もう片方でWordやドキュメントを開いて文字を打っており、「これがなければもう仕事はできない!」とさえ思います。他にも、夫が持っていたヘッドセットマイクをもらったり、パソコンも新しく新調し、キーボードを収納できる棚も最近買いました。働く環境づくりとして、必要なものは渋らず揃えるのがおすすめです。

濵田さんのデスク環境。ディスプレイ購入は仕事の効率化につながっている

今後挑戦してみたいことはありますか。

プロジェクトは永遠に続くものではないので、今後もずっと在宅で働けるように新たなスキルを身につけたいと思っています。簿記の教科書を購入したところなので、資格取得を目標にして勉強していきたいですね。

また、実は書道の師範免許も持っているので、せっかくなら免許を活かして何かできないかと模索しています。高校生の頃に三段まで行ったのですが、以前祝儀袋に名前を書いてと言われて書いてみたら、ブランクがあったため技術が落ちてしまっていて……。悔しくて、もう一回習字教室に通い直して師範免許をとりました。この免許があれば、教室を開こうと思えば開くことができます。

今も暇があれば遊びで書いたりしていますが、たまに書道の展覧会や表彰などを見ると「ああいうところで発表できたらな」と思う気持ちが出てきます。もう少し子どもが大きくなったら、また教室に入って発表会に出てみたいですね。今ならオンラインで発表する、なんてこともできるかもしれませんね。

最後にメッセージをお願いします。

スキルを身につけると、本当に人生は変わります。私自身の今の姿も、2年前に想像していたのとは全く異なります。フリーランスや個人事業主になると、確定申告など面倒なことはありますが、いいこともそれ以上にたくさんあります。「変わりたい」と思っていたり、興味がある方は、是非挑戦してみてほしいです。

 

◆「でじたる女子プロジェクト」について
MAIAでは日本全国で地方自治体や企業とのコラボレーションを推進し、RPAやSAP、WebデザインなどのITスキル育成・就労支援を行っています。また、プログラムの一部コンテンツについては、個人の目的やペースに合わせて学習できるようサブスクリプション型の「でじたる女子+(プラス)」にて個別に提供を行っています。

でじたる女子プロジェクト 公式ページ https://digital-women.maia.co.jp/
でじたる女子+ 公式ページ https://digital-joshi.maia.co.jp/

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