新しい世界への挑戦を通じて、スキルや経験の価値を見直し、仕事のやりがいに触れる。—「愛媛でじたる女子プロジェクト」2期生 薮谷恵さんインタビュー

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MAIAでは女性がライフスタイルの変化に影響されずに自分らしく働きつづけられるよう、「でじたる女子プロジェクト」を通じてスキル習得の支援を行っています。今回は、出産後に参加した「愛媛でじたる女子プロジェクト」で習得したRPAスキルを活かし、新しい分野に挑戦している薮谷恵さんにお話をお聞きしました。

薮谷恵さん
愛媛県出身、在住。東京都で大学院修士課程を修了後、編集プロダクション、出版社に勤務。結婚後は、地方でフリーランスのライター・編集者として本や雑誌づくりに携わる。愛媛県RPA女子プロジェクト第2期RPAコースを受講。受講後、RPAを用いた新しい分野の仕事に挑戦しつつ、ライターとしてもWebメディア上での記事制作を始めた。

「でじたる女子プロジェクト」と出会う前の状況について

興味深い事柄やためになる実用情報、印象深い出来事を多くの人に伝えたい、共有したいという思いで、ずっと本や雑誌づくりに携わってきました。フリーランスとなって執筆、編集、写真提供まで手がけた本が国内でご好評いただき、海外で出版されたこともあります。取材先や読者から喜びの声をお聞きすることを、仕事に対する一番のモチベーションの源としていました。

「でじたる女子プロジェクト」に参加したいと思った理由はなんですか

「愛媛でじたる女子プロジェクト」を知ったのは、テレビ番組で取り上げられているのを見かけたのがきっかけだったと思います。

愛媛でじたる女子プロジェクト
https://digital-women.maia.co.jp/ehime/

当時は出産前後の時期で、夫や実家の協力を得て子どもの世話に全力を注いでいました。子どもが自分の足で立ち、たくましく食事をとるようになっていく中で、他の番組ですが、テレビでたまたま「同僚と仕事の成功を喜び合う映像」を見て、「仕事」という人とのふれ合いが無性に恋しくなっていた頃だと思います。

実は十年ほど前に闘病を経験し、出産も「高齢出産」だったため、医療や社会制度のありがたさ、医療現場の大変さなどを強く意識しており、いつか貢献できるような仕事をしたいと考えていたんです。ただし「RPA」という用語はプロジェクトの案内で見るまで知りませんでしたし、組織のシステムの効率化というアプローチでの貢献なんて思ってもいませんでした。

RPAによる仕事の効率化で、激務を課せられている業界や人口が減り続ける地方都市を応援することは、最終的に誰かの生活を豊かにする一助になりうるという点で、プロジェクトにとても魅力を感じました。またそういった仕事を通じて、ときには人と会い、コミュニケーションをとる機会も欲していました。

「でじたる女子プロジェクト」での学習について教えてください

プロジェクトでRPAについて学んだことで、そもそも普段の生活がどれほどデジタル技術に依存したものであるか、改めて認識しました。今までそれを知らずにいたことが「こわい」と思えるほどだったので、今後の人生に大きく影響する気づきでした。

学習については、子どもが寝た後の21~24時を勉強時間と決めていました。幸いよく寝てくれる子なので、毎日コツコツと勉強することができました。この勉強時間を確保できた経験から、「仕事時間も確保できそうだな」と思うようになりました

他の受講生の方々とは現地参加の講習でお会いしたのですが、すごくほっとしたことを覚えています。IT業界に関する知識もスキルもなく、手探りで参加したプロジェクトだったため不安もあったのですが、同じような立場の方は自分だけじゃないし、県内に「仲間」がいるんだと思えたことはとても印象的でした。

現在はどのように働かれていますか

プロジェクトの修了後、MAIAからの案件紹介で企業の業務のRPA化の過程に携わりました。実際にRPA化が行われる中で、どのようにロボが開発されているのか、どのようにロボを活用するのかというイメージを、少しずつつかむことができていると思います。

また、プロジェクトを通じてデジタル技術に触れたこともあり、よりWeb上で展開されるメディアに注目するようになりました。これまで執筆や編集で関わったことがあるのは紙媒体のみでしたが、最近Web掲載の記事を書くお仕事も始めました。

生活と仕事の両立についても、これまでは幼い子どもが中心でしたが、「これから大事なお話をする時間(オンライン会議)」「今はお仕事の時間(PC作業)」など、それぞれがそれぞれの時間を過ごすこともあるということを少しずつ伝えるように変化しました。同時に家事の効率化も考えるようになり、それ自体も楽しんでいたりします。

お仕事をしていて、どんなことにやりがいを感じますか

やはり「自分で仕事をつくり出すこと」が、やりがいに通じていると思います。もちろん、そのためにスキルを高めたり、知識を深めたりすることはとても大変なことですが、自分でつくるものはたいがい「好きなこと」だし「できること」のはずです。

私の人生にとって「仕事」はとても大切な要素のひとつです。だからこそ、「つらい」「しんどい」「しばられる」ものではなく、「楽しく」「無理なく」「自由に」続けられるようなあり方が重要だと考えています。それに経験上、仕事の質も後者のほうが良いように感じます。

今後は地元の、それこそ自転車でぱっと駆けつけられるような範囲内で密にコミュニケーションを取りながら、広い世界へ情報発信したり、仕事を効率化するお手伝いをしたり、といった仕事ができたらいいなと思います。

最後に、これからでじたる女子を目指す方へのメッセージをお願いします

私にとって「愛媛でじたる女子プロジェクト」は、まったく経験のない業界へ挑戦するきっかけとなりました。同時に、意外なことに、これまで自分がやってきたことや自分にできることを見直す機会ともなりました。

まだまだ新しい世界の先をクリアに見渡せるような状況ではありませんが、「できることをひとつずつやっていく」ことが、少しずつ道をつくっていくのかなと思っています。新しい世界はワクワクすると同時に不安でこわいけれども、これまでの自分をまっさらにする必要はないと思います。挑戦の中で自分のスキルや経験が財産であることに気づき、それを活かそうと努力することで、前向きになれるのではないかと感じています。

 

◆「でじたる女子プロジェクト」について
MAIAでは日本全国で地方自治体や企業とのコラボレーションを推進し、RPAやSAP、WebデザインなどのITスキル育成・就労支援を行っています。また、プログラムの一部コンテンツについては、個人の目的やペースに合わせて学習できるようサブスクリプション型の「でじたる女子+(プラス)」にて個別に提供を行っています。

 

でじたる女子プロジェクト 公式ページ https://digital-women.maia.co.jp/
でじたる女子+ 公式ページ https://digital-joshi.maia.co.jp/

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